戦略日記
戦略経営者の根拠ある思考 #79
戦略は目に見えないもの、知恵の領域なので高度な経営戦略実力を身につけるためには長い年月が必要となる。
一般的には10年以上の年月がかかるとされていて、のんびりやっていたのでは一生かかっても身につかない。
なぜ、長い年月がかかるかと言えば、そもそも中小企業の社長の仕事が多岐、広範囲にわたっていること。そして我々を取り巻く外部環境、市場動向が刻々と変化しているため。更には、顧客など人の考え方も同様に変化が生じるからである。
プロスポーツ選手など、自分の思うように手足を動かすために、日々、厳しい鍛練を重ねている。それでも思うようにならないのでミスやエラーが起きてしまう。自分の思うような動作が身につくまで最低、3年以上かかると言われている。
高度な戦略経営者になるためには、これ以上の時間と労力がかかることになる。
普通の人は、短期的な予測はある程度できると思うが、10年先となると全く不透明となる。
戦略は大局観で市場の動向を予測して判断し、施策を講じていくことが重要となる。
大局的な判断には、取り巻く経営環境を原理原則に基づく必要があり、本気で決断するには大変重要となる。
この決断を邪魔したり、失策に繋がってしまうやっかいな要因がある。
それは、原理原則を知らないために生じる「経営者の経験だけに頼る勘や思い込み、フィーリングだ。」
戦略経営者から発せられる言葉は、実にシンプル且つ論理的で歯切れがよい。こうすれば、こうなるという経営スキーム(ビジネスモデル)をわかりやすく端的に表現する。
経営環境は非常に複雑で常時変化していくので、実際にやってみないと分からないことの方が多い。
しかし、戦略経営者は闇雲に手を打っている訳ではなく、何らかの根拠を持っている。根拠をもって会社を発展成長させているのだ。
経営者の意思決定の根拠が、思いや経験、カンだけでは大変危険となる。
紙を一枚一枚、積み重ねるように原理原則を学び、経営者として決断することに充分な根拠が必要となる。
そうすることで一見、現象面では多様に見えることでも、原理原則から一定の規則性や普遍の法則性に気づき、実力として身につくことになる。
これらが腹落ちした結果、経営者としての言葉に論理的で力強さが生まれ、説得力が高まり共感を生む。