戦略日記
継続と深堀りが成果となる #71
一意専心という言葉がある。
一意専心(いちいせんしん)」とは、わき目もふらず一つのことに集中することをたとえる言葉で、「一意」も「専心」も、いずれも一つのことだけに心を注ぐこと。集中することの意味をもち、二つの言葉を重ねることで意味を強調している。
何かを成し遂げるには、周囲の雑音に惑わされることなく集中し続けることが不可欠であり、「一意専心」は正にそのような行動をあらわす。
経営の学びと実践も一意専心の重要性が当てはまり不可欠となる。
ランチェスター戦略という言葉自体を知っている経営者は多くいると思うが、本当に中身を理解している経営者は僅かであると推測する。この中で永続的に経営戦略を学び、実践している経営者は更に絞られてくる。
大半の経営者は、戦略と戦術の区別がわからず、効果性の低い戦術的な勉強をしていく傾向がある。(以下、過去の私の体験)
高度な経営戦略を構築するには、膨大な勉強量と時間が必要となり、明日や明後日で直ちに成果が現れない。一方、戦術的な勉強は、世の中に五万とあり、目に見えるものでわかりやすい。
何だかブームでもあるし、自社でも出来そうと考える経営者が後を絶たない。戦術は簡単に映るからだ。
戦略は見えないものなので、市場や競合の調査や分析など大変面倒なことになる。しかし、ここに大きな落とし穴がある。いくら戦術を駆使しても上位の戦略がなければ活かされない。
よって「飽きる。」という心理が働いてしまうのと、すぐに成果が出ないので「これは駄目だ。」と判断してしまう。そして遊牧民かジプシーかのように次の戦術のネタを探しに彷徨っていく経営スタイルとなる。
場当たり的や一過性、一時的な勉強ではいけない。
新しい戦術ネタを知った社長が、翌日の朝礼で社員へ説教の如く熱弁する。聞いている社員はたまったものではない。戦術経営を繰り返す会社の社員定着率は良くない。
ここまで生きている中で、一つのことに集中して掘り下げ続けてきた経験はあるだろうか?
「経営は難しく考えず、シンプルに。」と言う人がいるが、高度な経営戦略でカテゴリ1位になる為には、極めて厳しく難しい道のりとなる。だからこそ、愚直に続ける継続と一つのことを深堀りしていく必要が経営者に求められるのだ。
「小さなことを積み重ねることが、とんでもないところへ行くただ一つの道。」は、安打世界記録を持つイチローと「ピッチングにしてもバッティングにしても、自分の形をどれだけ高いレベルで出来るのかなっていうところに楽しみがある。」は、エンジェルスの大谷選手の名言だ。
経営者も「真の経営のプロ」になっていかなくてはいけない。