戦略日記
カテゴリ1位への道 #64
今年は、「壬寅(みずえのとら)」で、厳しい冬を超えて、芽吹き始め新しい成長へのステージになる年とのこと。また、九星気学では「五黄(ごおう)の寅」と言われ、実に36年に一度、巡ってくる珍しい年回りだそうです。
時々、経営者から「我が社は日本一になる。」「社員や人々を幸せにする。」と聞くことがあります。
とても良いことですが、「では、どのようにして日本一になりますか?」「どのように社員を幸せにしますか?」と尋ねると「・・・・・。」無言になってしまう人が大半です。
これでは、願望だけになってしまっています。小学校の卒業文集などで書いた「オリンピックで金メダルを獲りたい。」「大リーグの選手になりたい。」と夢を綴った事と同様です。
「日本一の会社」「社員を幸せにする」など、これらを実現するためには、先ず戦略経営を徹底していく覚悟を決めることからです。
どこで、誰に、何をの3大戦略を構築します。ただし、前段階として市場はどのようになっているか。競合の存在と戦略設定はどのようになっているか。自社の経営資源、パワーはどれくらいか。徹底的に調査、分析をする必要があります。
これらを踏まえて、営業戦略、顧客維持戦略、組織編成、資金・時間配分など仕組み化を行い、戦術展開をしていきます。
競合と戦わないカテゴリで1位を目指して実践していくと、シェア(市場占有率)が高まっていきます。
植物学者の調査によると、いくつもの植物が混じりあっている場合、ある植物の数が25%に達すると、その植物の勢力が急激に強くなり他の植物は消えていくそうです。
考えてみると、自然界では数億年前から過酷な生存競争が繰り広げられています。「弱肉強食」や「適者生存」「生態的地位」いわゆるニッチなどビジネス競争に当てはまる言葉も生まれています。
植物の群生も、シェア理論と似ており、原理原則は、大自然も企業間競争も同じです。
シェアは、自社が市場において、どれくらいお客さんから支持されているかの指標となります。
シェアが高まるとパレートの法則が働き、一人当たりの粗利益が高まります。売上ではありません。粗利益です。粗利益は、経営の全てを賄っています。
粗利益が上がると、社員の給料を上げることができます。雇用している社員の給料が上がれば、家族から「良い会社に入ったね。」と喜ばれます。同時にシェアが高まっていくことで地域での知名度、認知度が高まります。
こうなると一目置かれる会社になりますので、「うちの子も、あの会社に入ってもらいたい。」と優秀な人材を採用しやすくなります。地域No.1の会社になっていきます。
このような戦略経営者が増えていくことで、得意とするカテゴリで1位を目指していけますので「競合と戦わない、争わないビジネスモデル」が出来上がっていきます。
何よりも「売上、売上!」と連呼しなくても戦略設定のレベルが高ければ、高いほど社員は市場で楽に成果を出すことができます。社員は、疲弊することなく活き活きとしていきます。これこそが自由闊達な会社風土の形成に繋がると共に地域が、日本が、社会が良くなっていきます。
金メダルを取る、大リーグの選手になるためには、勿論、過酷で厳しい鍛練が必要となります。生易しいものではありません。経営も全く同じです。
1位になるための戦略とシナリオによって願望(理念)が達成できます。夢の実現となるのです。