戦略日記
商品変えても客層変えるな #55
誰をお客にしたいのか、客層を明確にすることが戦略経営において成功の条件となります。
客層設定では、経営者のパーソナリティーと一致したものであることも重要です。
BtoCの事業、特に販売業やサービス業でも全く同じことが言えます。中小企業は、もともと限りある経営資源なので販売力、営業力をいくつもの業界に手を出したのでは、戦力が分散してしまい自社の強いカテゴリ、分野を作ることは出来なくなります。
何故なら客層を分散してしまうことで、経営のオペレーションに多大な労力と経費がかかってしまうからです。
一つの業界に集中して営業すると、その業界の仕事内容はもちろん、人脈と両方に詳しくなっていきます。
社員も集中して仕事の進め方や商品、サービスに詳しくなり専門性が高まってスペシャリストに成長していきます。
時間軸と共に投入量の差となり、ライバル会社に差をつけることが出来て、収益が上がっていきます。一人当たりの粗利益が業界平均を上回っていきます。
弱者が成功するためには、規模は小さくても一つの業界、事業に力を入れ、先ずはその業界、事業で1位になることです。
業界や客層を絞ることで、見込み客の発見がしやすくなるので接触機会を作りやすくなり、訪問計画が立てやすくなっていきます。打つ手がハッキリとしていくことになります。これらを経営の仕組みとして体系化していくのです。
更には、深い顧客ニーズをハイレベルで掴めるようになり、店づくりや販売提案の精度が上がり、顧客満足のレベルも上がります。
このようなノウハウが蓄積されていくと、競合他社がマネできない卓越性となり、これが差別化、独自化になっていきます。
「何を誰に」ではなく、「誰に何を」なのです。