戦略日記
地の利を活かす #53
ランチェスター戦略の経営目的は1位づくりにあります。
たとえ市場の規模は小さくても、この地域であれば自社が1位になれる。この地域なら、競合に負けない。というエリアを作ることにあります。
そのためにはどこで1位になるか、設定(的)をハッキリ決めなくてはいけません。3大戦略のそれぞれの中には重点化という設定があります。
重点地域の第一の条件は、自分の会社やお店から近いところです。会社やお店から近いということは、すでに弱者戦略の戦法となる、接近戦と局地戦の二つの条件を満たしていることになるので、最も力を入れるべき地域といえます。
お客が会社やお店を選ぶ理由は、「近くにあるから」が一番といわれます。つまり、最大の顧客満足はお客の近くに存在することなのです。お客にとって、距離的に近いことは、遠くの競合以上に有利になります。
●近くにいるお客から見て知名度があり口コミが発生しやすい
●既存客も多く、応援されやすい
●地域の情報が入りやすい
●お客との人間関係(親しみや信頼)がつくりやすい
●迅速な対応等ができて、移動などの経費がかからない
などなどメリットが多くあります。
小さな会社、シェアが低い弱者が、このような「地の利」を活かさない手はありません。
天の時、地の利、人の和
これは、戦略が成功する3条件と言われているもので、中国戦国時代の儒学者である孟子(もうし)の言葉とされているものです。
天の時とは、チャンス。時流にのっているか。地の利とは、ポジショニング。勝てる立ち位置(地域)にいるか。人の和とは、組織(戦うチーム)。同じチームとして同じ方向を向いているか。
わかりやすいものだとプロ野球やサッカーなどはホームとアウェーという表現がされます。
地元開催が有利となるのは、常時練習してきた土地で慣れているので、まさに「地の利を得る」ことで優位に勝負ができます。ホームとアウェーでは、ホームの方がファン(お客)の応援が多いですし、雰囲気で敵を圧倒します。
利をもって好機をつかむことで戦略となり、競争優位性を高められるのです。