戦略日記

中小企業における強い組織の本質 #34

中小企業における強い組織の本質 #34

中小企業において組織戦略は、それほど重要ではありません。
「我が社に、いい人材が集まればもっと業績が良くなる。」「社員がなかなか思うように成長しない。」など嘆く社長がいます。

ランチェスター戦略における経営の8大要因にある組織のウェイトは僅か13%です。
この中には社員教育も含まれています。会社は人材で儲けるのではなく、戦略構築とこれに基づく仕組みで儲けるのです。普通の人材で業績を良くするのは社長の責任なのです。

「うちの社員は、もっと自覚をもってほしい…」
自覚を持つべきは社長自身なのです。社長の自覚が足りないから社員も自覚がないのです。ただ単に「売上げを上げよう!」となっていては社員も売上げをつくることに精いっぱいとなってしまいます。

では強い組織とは、いったいどのようなことでしょうか。ハッキリと答えれますか?
ランチェスター戦略では一人当たりの粗利益が業種平均の1.5倍から2倍、3倍にすることを明確にしています。この指標を超えていくことが強い組織となります。
そして10人までの会社は、部長や課長など肩書きは不要で、平屋組織として社長自ら社員と一緒になって、戦術も一緒になって行います。中間役職者をつくらないことです。次に10人以上から30人までは2階建てにします。ここでも中間役職者は不要です。30人以上になって3階建て組織にします。

社員を鍛えたいと願う社長は多くいます。しかし本質的に社員を鍛えることは出来ません。一番に鍛えるべきは、戦略経営ができるようになる社長自身なのです。経営の善し悪しを大きく左右するのは社長自身です。このウェイトは86%です。社長こそが人材なのです。

戦略がしっかり出来ていれば、スーパーマンのような社員でなくても仕組みで利益を上げていくことが出来ます。社員を変えることではなく、社長自身が変わることなのです。組織だ、社員教育だと考える暇があったら、お客さんのところへ行くのです。これこそが最大のマーケティングです。

世の中の儲かる経営セミナーや本屋へ行くと、マネジメントに関する内容が実に多く出ています。マネジメントは経営ではありません。経営とは「お客づくり」と定義されているようにお客さんをつくり、ずっとお付き合いいただけるよう顧客維持することに尽きます。中小企業において、組織・人材のことは気にしなくて良いのです。