戦略日記
デザイン経営で経営のクオリティを高める #29
経済産業省と特許庁は2018年に「デザイン経営宣言」を打ち出しました。
「デザイン経営」とは、デザイン的な思考を経営に活用し、企業のブランド力やイノベーション力を向上することで、競争力を高めていこうという考え方です。
様々な産業が成熟し、誰でも簡単にモノが売れない時代になりました。製品やサービスを通して、顧客一人ひとりが受けとる体験の質が、経営の成否を決める重要な要素になってきています。顧客体験とは「ブランドやデザインが好みである」「わかりやすい」「サービス、対応がよい」「商品の質や満足度が高い」などなど、ユーザーが製品やサービスを通じて得られる体験のことです。
ユーザーに愛されるブランドや「使いやすさ」など、顧客体験の質を高めるためには、デザインの要素は大変重要となります。そのためデザイン経営では、人(ユーザー)を中心にとらえ、プロダクトデザイン、ブランドデザインなど、あらゆる切り口で、製品やサービスから得られる体験の質を高めることに力が注がれます。即ち、経営の質を高めるということになります。
たとえば、家電量販店の掃除機売り場を見てみましょう。日本の家電メーカーの製品は、どの商品がどのメーカーのものかすぐに見分けがつきませんが、ダイソンの掃除機は一目でわかります。同じように、携帯電話売り場では、色々なメーカーの携帯電話は見た目だけで見分けがつきにくいですが、アップルのiPhoneは誰が見てもわかります。このように、世界にはデザインを重視した経営戦略で成功をおさめている企業が多数あります。
「デザイン経営宣言」によれば、デザイン経営とは「デザインを企業価値向上のための重要資源として活用する経営」のことと定義されています。具体的には、① 経営チームにデザイン責任者がいること。 ② 事業戦略構築の最上流からデザインが関与すること。という2点が条件として設定されています。
クリエイターやデザイナーが経営チームに参加することです。
弊社の場合、ランチェスター戦略の認定講師になってから、戦略設定から戦術展開に至るまでクリエイティブディレクターが側にいて下さり、ブランドコンセプトやロゴマーク、ホームページ、チラシ、名刺、看板など一貫性をもってアウトプットできるようになりました。過去では、想像だにしなかったことであります。戦略経営を深く熟知している強力なクリエイティブチームがいてくれるおかげです。