戦略日記
顧客の脳内シェアを高めて競合に勝つ #28
戦略ブランディングは経営においてとても重要です。
私たち誰もが何かを購入しようとする時、様々な観点で必ず比較をしています。競合と比較しているのです。同じように自社の商品・サービスもお客さんから比較されています。
脳内シェア(マインドシェア)は、顧客認知度です。
顧客や消費者の心の中に占めるブランドの占有率のことで、それぞれの顧客が、ある商品やサービスを思い浮かべた時に、それと関連して思い浮かぶ企業ブランドや商品ブランドの割合を示します。 例えば、「ハンバーガーといえば〇〇」「国産車のメーカーといえば〇〇」「缶コーヒーといえば〇〇」「テーマパークといえば〇〇」などなど、潜在的に顧客の頭の中に浮かぶブランドや企業です。一般的に脳内シェアが高いブランドは、そのジャンル、カテゴリにおいて「有名ブランド」と位置付けられていることが多いのです。
「〇〇ハンバーガーの特徴は?」と聞かれたら、リーズナブルだ。全国のあちこちにあるなど、既に頭の中で特徴を把握するために競合と比較しているのです。なので「うちには競合など関係ない」とは言えないのです。これは自社都合型経営といえます。大半の経営論や経営の勉強会では、自社と顧客だけの関係性ばかりとなっていますが、ランチェスター戦略は先ず競合から考えるのが鉄則です。
脳内シェアが1位であることは、そのブランドが市場における強固な基盤を持てることを意味します。脳内シェアは、特定の市場やカテゴリで高いシェアを占めることでプレミアム効果に繋がりやすくなり、価格価値を上げることも出来るので重要になります。
脳内シェアを高めるためには、企業が「継続して存在や情報を知らせる力」が必要です。
人間はもともと、目にする回数が多いものに対して好感を持ちやすくなります。心理学で「ザイアンスの熟知性の法則」というものがあります。広告やメディアの分野で広く活用されており、例えば、チェーン展開している店舗を考えてみましょう。あらゆる場所に存在する店舗のロゴを統一して、顧客に同じロゴを何度も目にさせることで、その店舗がいつでも近くにあるような感覚を覚えさせ、顧客への認知度を徹底して高めています。
逆に一番恐ろしいことは、顧客から「忘れられてしまうこと」です。
忘れられてしまったら、顧客があなたの商品やサービスを買いたくなったタイミングで検討の土台に乗せてもらうことすら不可能となります。
そしてブランドは戦略から導かれたものでなければいけません。
戦略から戦術段階に至るまで一貫性をもつ必要があります。名刺、看板、広告物など戦略設定によって、デザインやメッセージとして顧客に見られる可能性があるもの全てにおいて、競合との違いを徹底して認知してもらいます。これらをもって顧客といかに多くの接点(タッチポイント)や接触頻度を高めるか、競合より勝ることができるかが鍵となります。これらを経営の仕組みとすることなのです。