戦略日記
行動をスローガンだけで終わらせない #19
経営者の勉強でよく聞かれるフレーズで「すぐに行動、実践しよう」というものがあります。この行動や実践というのは具体的に何を指しているのでしょうか。
なりがちなのは、これらの言葉が具体性に欠け「口癖」のようになってしまい、スローガンに終わってしまうことです。
素晴らしい経営者になるには、大前提として人格向上が基礎となります。
そして効果性が高い仕事を能率良く実行するということです。わかりやすく言えば「真に役に立つ仕事を上手に実行する」ことです。反対に最も駄目なのは、効果性が低い仕事を能率悪く実行することです。別の言葉で表現すると元々、やるべきではない仕事を下手に実行することであります。これだと当然、最低の結果になるはずです。
誰でも経営者であれば、常に高い実績を出し「いい会社にしたい」「いい経営者と呼ばれたい」「効果性を上げ、能率よく経営を行いたい」と願っているのが偽りない事実だと思います。
しかしながら効果性は、形がなく見えません。自分が行っている経営が果たして効果性が高いのかどうか、さっぱりわかりません。更に、たちが悪いのが効果性の質のレベルが高くなればなるほど見えなくなるという意地悪な性質なので、効果性は益々わからなくなってしまいます。
効果性の善し悪しを判断する最も有効なことは戦略と戦術の区別がきちんとわかるようになることです。次に、競争条件が有利で1位のみが使うことができる強者の戦略と競争条件が2位以下の不利な条件の企業が使う弱者の戦略の二つをしっかり勉強してマスターすることです。
経営がなかなか上手くいかない。一所懸命に頑張っているけど業績が良くないという最も大きな原因は、戦略と戦術の区別がつかず、戦術だけが大事な仕事と思い込んでいることにあります。次に強者の戦略と弱者の戦略の区別がつかず、外見としてかっこが良い強者の戦略だけが経営の正しいやり方だと強く信じ込んでいることにあります。ランチェスター戦略を知らない中小企業が行っている経営の大半は、強者の戦略の真似ごとが実に多いのです。
これらを正しくマスターすれば、経営者としての実力が3倍にも4倍、5倍にもなっていきます。そして目に見えるノウハウ、テクニックなど効率性の戦術経営ではなく、効果性の高い戦略経営を具体的に、何をどうするを決めて行うこと。これを行動するといえるのではないでしょうか。