戦略日記

コンサルタントが複数入っている企業 #228

コンサルタントが複数入っている企業 #228

企業がコンサルタントを導入することは珍しくありません。しかし、明確な戦略もないまま複数のコンサルタントを同時に導入すると、社員は混乱し、かえって組織の機能不全を招くことがあります。

特にこのようなケースでは、戦略レベルではなく戦術レベルのコンサルタントが多く関与する傾向があります。戦術系のコンサルタントは、営業強化や業務効率化、マーケティング施策など、個別の課題解決には優れているが、企業全体の方向性を決めるわけでありません。

そのため、異なる戦術系コンサルタントが複数関わると、各部門ごとに異なる改善策が進められ、全体としての一貫性が失われます。こうした混乱を招く根本的な原因は、多くの場合「戦術を追いかける社長」にあります。

戦略を定めず、その場その場で有効そうな戦術に飛びつく経営者は、複数のコンサルタントを次々に導入し、異なるアドバイスを場当たり的に採用してしまう。その結果、各部門は異なる方針を押し付けられ、社員は「何が正解なのか」分からなくなってしまいます。

ある時はコスト削減、ある時は新規事業の拡大、またある時はDX推進と、次々に優先事項が変わることになり社員は疲弊し、組織全体の士気も低下します。会社を良くするはずだったのとは逆に社内は混乱します。

結局、この混乱の被害を最も受けるのは現場の社員です。現場の努力が一貫性のない指示によって無駄になり、混乱する組織の中で責任だけが押し付けられる状態です。これでは優秀な人材ほど離れていき、企業の成長はますます停滞することになります。

このような事態を防ぐには、まず経営者自身が「自社の戦略を明確にし、何を目指すのか」を定めることが不可欠です。その上で、コンサルタントはその戦略を実現するために活用すべきであり、戦術レベルのコンサルティングに振り回されるべきでありません。

戦略なき戦術の積み重ねは、決して企業の成功をもたらさないと言えます。