戦略日記

社長は組織の役割と成果を明確にせよ #223

社長は組織の役割と成果を明確にせよ #223

多くの経営者が組織の役割と成果を曖昧にしたまま、「うちの社員はやる気がない」「言っても響かない」と嘆き、中小企業だから優秀な人材は採用できないなど愚痴を耳にすることがあります。このような会社を起業したのは、社長自身であるはずです。

戦略経営者が取り組むべきは、各社員の「役割」と期待する「成果」の明確化です。ランチェスター戦略において、組織は単なる箱のような形ではなく、戦略を実行するための「実行部隊」です。その実行部隊を機能させるには、各社員が自分の役割を理解し、成果を目指して動く必要があります。

ランチェスター戦略では、弱者は強者と同じ土俵で戦わず、局地戦で競合に対して優位に立つことが重要です。そのためには、各社員が自分の役割を理解し、専門性を磨き、強みを最大限に発揮する必要があることは誰もがわかることだと思います。

社員が最もやる気を感じるのは、自分の「役割」と達成すべき「成果」が明確になった時です。これは、戦略を決定した経営者が戦略を具現化させる重要な仕事となります。大企業のように分業が進んでいない中小企業では、経営者が直接、社員に戦略を伝え、各社員の役割を明確にする必要があります。

「どこで」「誰に」「何を」「どのように」売るのか。ランチェスター戦略に基づいた具体的な営業方針を、社員一人ひとりに伝えましょう。しかし、「対前年比〇%」のような抽象的な目標では、社員は動きようがありません。具体的な役割と、実現可能な成果を示すことが不可欠です。

「もっと根性出せ!」「売上上げろ!」といった精神論や抽象的な指示は、社員の反発を招くだけです。逆に、役割が分からず相談してきた社員に「自分で考えろ」と突き放すのも無責任です。社員は、経営者の本質をすぐに見抜きます。

だからこそ、経営者は自身の言葉で、各社員に「求める役割」と「期待する成果」を言語化し語りかけるべきです。社員がそれを理解すれば、現場の業務効率は飛躍的に向上します。本来、行動するとは「行く目的地を明確にして動くこと」であり、戦略があってこそ行動できるのです。

ランチェスター戦略に基づいた組織づくりとは、社員一人ひとりが自分の強みを活かした適材適所で組織を編成し、目標に向かって進む「自立型実行部隊」を育成することです。そのためには、経営者自身が戦略を深く理解し、具体的な目標と戦略を社員に示し続けることが不可欠となります。