戦略日記

良いモノだけでは売れない #198

良いモノだけでは売れない #198

戦略の構築をして次の段階は、ブランディングを行い広告活動となります。最初にどこの、誰に、何を知ってもらうかになります。この、「どうやってお客に知ってもらのか」という広告活動をやっていない、または怠っている中小企業が実に多いのです。

広告は、具体的に目に見える形になるのでお客からライバル会社からも見られるものとなります。

会社や店で実行している看板やチラシ、パンフレット、ポスティング、ネットショップ、ブログ、メルマガ、イベント等など「あらゆる目にするもの」全てとなります。街の中や折込チラシなど他社の広告物を見ていると、大体、その会社が儲かっているかどうか推測ができます。

「一所懸命に予算を使い、広告を出しているけど成果に繋がらない」という悩みをよく耳にします。

一般的に、小さな会社の経営者や店のオーナーは良いものを安く提供すれば売上は上がると考えています。しかし、実のところお客は「その商品やサービスが良いから買う」とか「その商品やサービスが安いから買う」のではありません。「その商品やサービスが良いと思うから買う」のです。

あなたの会社やお店の広告を新規のお客が最初に見た段階では、商品やサービスを実際に使ったわけではないので「良いのか、悪いのか」がわからず判断できません。実際に、お客が購入して使ってみてわかるものとなります。すなわち、お客から見て「良いと思ってもらう」が一番最初となり、この思ってもらうという部分が広告活動において極めて重要な要素となります。

良いと思っていただくこと、お客にとって価値があり必要だと思っていただくことなのです。

「我が社の技術は並外れて高い」「うちの商品は質が高い」「社員やスタッフの接客が良い」「うちの店の料理は日本一美味しい」などは、多くの企業やお店が主張するところです。ライバル会社も同じことを主張しています。問題はこれらにあるのではなく、ライバル会社との違いを明確にした自社の戦略設定をしたお客に「きちっと伝えること」ができていないことです。

多くの経営者は、「良い商品やサービスなのに売れない」という状況に直面すると、安易に価格競争に突入して行きます。しかし、価格競争は、大企業にとっては有利ですが、中小企業にとっては消耗戦となりかねません。

体力勝負は、大きな者が市場で有利な戦いをすることができ、経営資源の少ない中小零細企業やお店では、売れば売るほど利益が出なくなります。中小零細企業やお店が勝機を得る戦いは、戦略という知恵の勝負となる頭脳戦なのです。

日本の企業の約8割は赤字会社です。今までのように良いものを提供するだけでは売れる時代ではありません。商品やサービスの質は、自社とライバル会社を含め一定水準以上あるのは当たり前となっており、お客の研究はもちろん、ブランディングやマーケティングの広告戦略を含む経営全体の戦略を知り、深く研究を重ねていかなければ生き残れない時代です。