戦略日記
優秀な人材はやって来ない #193
業種を問わず深刻な人手不足が続く中、ある調査機関によると、今年の上半期に人手不足を理由に倒産した企業数は182社に達し、過去最多となりました。これは、昨年の同時期と比較して72社増加し、2年連続で過去最多を更新したとのことです。
倒産企業の業種別では、建設業や物流業が多く、特に従業員10人未満の企業が全体の約8割を占めています。これは、中小企業ほど人材確保が困難な状況であることを示しています。
新たに人を採用することは、至難の業になる時代に入っています。新卒者を対象としたアンケートでは、給与が高い会社や休日が取れる会社が人気を集めています。しかし、大半の中小企業は収益性が低く、給与を上げる余裕がないため、現有社員の離職が後を絶ちません。そのため、多くの企業が多額の求人広告費をかけて人材確保に奔走しています。
求人媒体を見ると、多くの企業が画一的な内容で求人情報を掲載しており、求職者から見て企業間の差別化が図られていません。給与や待遇面も横並びである場合が多く、求職者にとって魅力的な選択肢とは言えません。
中小企業の社長の多くは、スーパーマンのような優秀な人材を求めます。残念ながら優秀な人材など、中小零細企業に来るわけがありません。そもそも社長自身が優秀な戦略がないので淡い願望だけにとどまり、採用コストだけが水の泡となってしまいます。このような社長は、自分の実力はさておき社員に依存する経営をしていると言えます。
優秀な人材を求めるなら、先ずは戦略企業となり会社の粗利益を徹底的に高め、給与を近隣の業界他社(相場)より最低でも10%以上にしなくてはいけません。この原資は、全て粗利益です(売上ではない)
そして経営の仕組みがあれば、楽に市場で戦うことができ誰もが一定の成果を出しやすくなります。小さな成功を次々に体験できるようになり、社員は仕組みの中で成長していくことができます。