戦略日記
武器を持たずに戦っている #154
経営はお客づくりに尽きます。なぜなら業種を問わず、経営者は四六時中、どのようにしたら売れるのか、お客から支持をいただけるのかをいつも考え続けているからです。
お客づくりの根本となる営業活動は、主に二つあります。
一つ目は新規営業活動です。どうやって知ってもらうかです。二つ目は、ご契約となった顧客から永続的に支持していただくための維持活動です。ファンになってもらいリピート、再販に繋がる活動といえます。
これらは、地域・客層・商品戦略から導かれたものでなくてはいけません。特に、競合との比較によって営業活動は大きく変わっていきます。営業活動は競合との戦い方と置き換えられます。
厳しい環境下で、自社が勝ち残るためには競合他社と同じ土俵で戦うことを避けることを基本として、戦う (営業活動)ための武器を用意しなければなりません。ところが、戦う武器を持たずに丸腰で戦っている中小企業を多く見受けます。
例えば、名刺、会社案内、ホームページなどは今や当たり前ですが、自社の商品やサービスをまとめるメニュー表があります。どんなサービスを行っているのかをわかりやすく表現する必要がありますが意外と疎かになっているものの一つと言えます。競合との違いを明確にすることもポイントです。
具体的な例として、近しい仲間から紹介をいただき新規で初めてお客を訪問したとします。いきなり信頼関係はできるわけがありませんので、どこの馬の骨かわからないようなイメージを持たれていると思います。そんな時に、自社を紹介するツールが名刺だけで、あとは口頭で話しているだけではお客に伝わることは難しくなります。
「人は誰もが忘れる生き物であり、人には伝わらない。」という前提をもって営業や社内の仕組みづくりが重要となります。一回や二回の接触機会で覚えてもらうことや自社の良さを伝えることは困難です。だからこそお客の印象に強く残る営業活動のツール(武器)を普段から準備し活用していかなくては契約に至る確率は高まらないのです。
大手ブランド企業は、24時間365日繰り返し繰り返しCMを流し続けています。これはお客への知名度や認知度を上げ、印象に残るようにする活動といえます。第一に想起してもらうためです。
前述の通り、「人は誰もが忘れるもの。」「お客も簡単に覚えてくれないもの。」と知っておけば、武器を使って継続させていくことが重要であることが理解できると思います。思いつきの一過性で終わらせることがないように注意が必要です。継続は力となります。
お客は常に“自分にとって”を念頭に競合他社と比較をしながらあなたの会社を選んでいることを忘れてはいけません。どんなに素晴らしい商品や優秀なサービスであっても勝手にお客がやってくることはないのです。