戦略日記

社長の器 #149

社長の器 #149

昔から「社長(経営者)の器」という言葉がよく使われています。「あの人は社長の器じゃない。」「あの人は器が大きい。」「社長の器以上に会社は大きくならない。」などなど。

一般的には、人間性の善し悪しやヒューマンスキルなど属人的な部分を基準に考えられていることが多いと思います。当然、社長は会社の最高責任者であるので、社長として仕事を遂行する能力を器と考える必要があると思います。社長は企業の方向性を示す舵取り役として重要な役割を担います。そのため、社長には、これらの能力や資質が求められるのです。

社長の能力は、戦略実力です。経営は、ライバル企業との競争活動であるので社長の経営戦略で業績は決まってしまうからです。よって戦略経営を前提として、器が大きいという表現は戦略実力が高いと置き換えることができます。

戦略実力が高い良い社長は平凡な人を使い、非凡な実績を引き出す人です。これに対してダメな社長は、自分自身の実力の無さを棚上げして、非凡な能力を持った社員が入社するのを願い夢見ているだけの人です。

中小企業は人で決まると言われます。その一番目は誰よりも社長自身のことです。もちろん、社員も人であることには違いなく、社員の採用や教育は大切です。しかしながら社長が効果的な経営の仕組みをつくる方が、より大切で最優先事項となります。

分散した地域や客層、競争力のない商品、統一性のない営業のやり方など効果的でない仕組みや的外れな経営方針や目標、場当たり的な仕事の進め方、ルールも不明確でしかも安い給与で、社員が育つのを期待しても無理でしょう。

社長が戦略経営の実力を高めることで器が大きくなり、会社が成長することを心に刻まなければいけません。