戦略日記
無知な経営者の危険性 #134
無知とは、知識や情報の不足や欠如を指し、ある特定の分野に関する知識が不十分であることを意味します。無知は、人が理解や判断をする際に不利な状態となり、誤解や誤った結論へと導く可能性があります。
無知は、さまざまな要因によって引き起こされます。教育や学習の機会の不足や個人の関心や興味の範囲の狭さなどが無知の原因となる場合があります。
これを経営者に置き換えると、経営の知識を知らないということになります。
当然ですが「経営の知識を知らない経営者」は、経営の知識を持たずに経営を行うので成功することが難しくなります。一所懸命に頑張っているのに上手くいかないという結果です。
経営者は、事業を計画して組織を運営し、目標を達成するための戦略を策定する知識とスキルを必要とします。経営者がこれらについて知らない、理解していない場合、戦略の立案や意思決定に問題が生じることになります。
つまりは、戦略の知識がないのに立案や策定をできるはずもなく、意思決定自体が間違ってしまう確率が高くなるということになります。無知による経営者の意思決定の間違いは、組織を混乱させ社員は疲弊します。社員の定着が悪い根本原因となります。
そもそも戦略を知らないので、「みんなで思いを一つにして力を合わせれば必ず実現(達成)できる。」と根拠のないスローガンなどで鼓舞していきます。これでは「赤信号、みんなで渡れば怖くない。」と同様と言えます。
また「実践することが大事だ。すぐに行動に移し、実践しよう。」と声高らかな経営者がいます。経営の知識がないまま実践できるはずはなく、結果や行く末は目に見えています。
何でも実践すれば良いと言うものではなく、経営はどのような要因で成り立っているのか。市場、競合、自社との三者間の関係性を調査分析し、戦略を策定して戦術に展開することで初めて実践と言えるのであり、先ずはこれらの知識習得が必須となります。
「とりあえずやってみよう!」「やってみないとわからない。」は、無謀です。
無知による実践は、間違った実践に繋がり、そこへ費やした時間は浪費となり、いくら頑張っても経営資源は無駄になり存続自体が危うくなってしまいます。このこと自体すら無知な経営者が多く、賢明な人であれば、何を為すべきか直ぐにわかるはずです。