戦略日記
経営者の1位への決意と覚悟 #123
経営とは「お客づくり」であり、経営の目的は「カテゴリNo.1」になることです。市場占有率1位の商品や1位の地域、1位の客層をつくることを目的とします。ある領域で市場占有率1位になることにより、パレートの法則を働かせ利益の集中を起こさせるためです。
1位を実現するためには、市場占有率を算出しなければなりません。
・地域(市場)の把握━どの戦場で戦っているのか?
・総需要の把握━分母がどれくらいあるのか?
・総顧客数の把握━見込み客はどれくらいあるのか?
・競争関係の把握━誰と戦っているのか?
・自社の市場内売上高を算出
・市場内の得意先数の把握等が必要となってきます。
これらを徹底的に調査し分析しなければ、市場占有率によって戦略の立て方や戦い方が変わってくるので大変重要な要素となります。地域、客層、商品の3大戦略のポジショニング(設定)いかんで業績が決まります。この重要度は経営全体の86%に及びます。
市場占有率が高まってくると、一人当たりの粗利益が業種別平均の1.5倍、2倍、3倍というように連動し向上していきます。1位の会社が予想以上に利益性が高まる理由として…
1. 「1位経費割安の原則」━営業経費が割安になり、お客づくりに関する営業費の費用対効果が増す。
2. 「1位紹介の原則」━認知度が上がり広告物の反応が高まる。紹介が多くなり口コミになりやすい。
3. 「1位集中の原則」━倒産や廃業など同業他社のお客が1位に集まる。
他にも1位は、認知度向上によって信用も高まります。
このような観点から特定のカテゴリにおいて1位にならなければ持続可能な経営はできないと断言できます。この中において最も重要なものは「競合」です。ライバルがどこの誰かをハッキリさせることです。
お客から見ると、「経営は常にライバルと戦っている」ということになります。ところが「競合」のことは一番最後になっていたり、全く考えていない中小企業が少なくありません。敵がわからない状態で闇雲に戦うことは不可能です。
更には、ライバルとの競争関係を考えずに経営方針や売上計画など作っているケースがあります。これは願望要素や希望的観測が多分にあり、自己都合型といえ実現させる根拠がなく、残念ながら絵に描いた餅になってしまいます。
まずは、「1位以外は価値がない」と言い切れるくらい、カテゴリ1位づくりに軸を定め経営者として全力を傾けることです。経営戦略の目的は、ライバルとの競争に勝ち、特定市場で安定的なポジションを得てお客から絶大な支持をいただくことです。
勿論、1位になるには並大抵なことではありません。簡単ではないからこそ1位なのです。散歩の延長で富士山に登ることはできないのです。