戦略日記

人材採用と育成も戦略によって決まる #118

人材採用と育成も戦略によって決まる #118

少子化が進み、人材確保についても苦戦している中小企業が多くなっています。

直近の有効求人倍率は2.5倍を超えており、優秀な人材を採用するには厳しい環境となっていることが予測できます。

新しく社員を採用しようとする場合、先ずは一人当たりの粗利益が業界平均の1.2倍以上あるかが鍵となります。1.2倍以上ないと一人採用すると赤字に転落してしまうからです。(利益構造セミナーで詳しく解説しています

次に、採用する場合にも経営戦略が重要となります。自社がどの事業ドメインにおいて市場での優位性を確立できるか明確にしておく必要があります。これは大前提となります。

経営戦略に基づき、いかに生産性を高めるかで組織戦略が決まっていくからです。

市場(お客)にアプローチする客層戦略と同様に、求職者へ対する戦略もハッキリとする必要があります。自社の戦略やブランディングを基に、どのような人材を必要とするのかをペルソナとして設定します。

採用要件よりも具体的で、一人の人物をリアルに想像できるくらいに詳細にした人物像です。

もちろん、競合他社と比較されますので企業の印象や差別化など企業のどこを売り出していくと求職者に魅力的に響き、見えるのかが重要となります。

求人広告で散見されるものとして、「アットホームで家族的な雰囲気です。」「やる気やバイタリティがあれば幹部になれる。」等など、どこの企業でもPRしていそうな内容です。これですと求職者へ響くことは不可能でお金は使ったけど、問い合わせは全く無いという状況になってしまいます。

求職者にとって、「自社が魅力的に映っているか」や「自社の戦略やビジョンをしっかり示すこと」が必須となっていきます。また入社に至るまでの接触機会をどのように設計していくかも大切です。

入社後も経営戦略に基づき、成果を出せる仕組みがあってこそ人は成長するということを忘れてはいけません。人材の採用と育成にも社長の高度な戦略が欠かせないのです。