戦略日記
経営を学ばない社長 #114
中小企業が赤字になっている割合は全体の約80%にもなります。大半が赤字経営となっている現実です。
これはパレートの法則が働いており、全ての企業が黒字になることは残念ながら不可能です。何故なら経営は競争活動であり、お客さんから常に競合と比較検討されて購買されているからです。
「経営は、どのような要因と構成で成り立っていますか?」と尋ねて、明確に答えられる社長は多くありません。
ほとんどが赤字経営であると聞くと、それだけ経営は難しいものではないかと思いがちです。
経営が難しいのではなく、経営を実行する社長に課題があるのです。しかし、準備やトレーニングをせずに”ウルトラC”のような難易度の高い経営を目指している事実も少なくありません。
失敗する原因は多岐にわたりますが、社長が「経営を知らない。」「経営を学んでいない。」という原因が最も多いように感じます。
「社長であるなら、経営について知っておいた方がいい。」ということは、客観的に見ても当たり前のことのように聞こえると思いますが、驚くほど多くの社長は経営を知らないまま失敗していきます。
厄介なことに、起業した当初は偶然など、まぐれ当たりにも関わらず「私は出来る。」と根拠のない自信を持ってしまい、本来必要な経営知識の必要性を無視してしまうパターンです。
偶然、上手くいって成り立っていますが経営のことを知らないので、「なぜ上手くいっているのか?」が根本的に理解できていないのです。残念ながら、偶然はいつか終わりを迎えます。
偶然的要素で成り立っていた経営が時間経過とともに無くなっていくと、経営を知らない社長は、これを再現することが出来ません。
さらに言うと、その偶然的要素が成功した要因の一つであったとしても、これすら理解できていないのです。あくまでも偶然で成立していたので、社長が強く意識する必要がなかったからです。
偶然、上手くいっているだけなのに、自分の実力だと勘違いしている社長が非常に多いと思います。人間には、「能力の低い人ほど自分を過大評価してしまう。」悪い癖を持っています。
どんな社長でも素晴らしい経営をして、良い会社づくりをしたいと思っています。しかし、現実は違い多くの社長が「経営」ではなく「仕事」をしています。
仕事は経営全体から見ると「部分活動」であり、経営は、仕組みをもとに経営全体の成果に繋げる「最適活動」と言えます。
社長には、免許や資格があるわけでなく、自身が思ったように会社を起こし運営することが出来ます。
だからこそ経営の本質は何か。何を知り、学ぶ必要があるかを常に問い続け、実践の繰り返しが必要となります。