戦略日記
石の上にも三年 #103
今から丁度、三年前にランチェスター経営戦略の認定講師を目指し、門を叩きました。
「経営は自己分析から始まる」 「社長の実力は売上ではなく粗利益である」等など。
戦略社長塾からスタートした講義が始まり、30年近く間違った経営をしていたことに気づかされ「経営が思うようにならないのは何故か」の根拠を知り、頭を殴られるような衝撃を受けたのを今でも鮮明に覚えています。
先ずは「やらないことを決める」ことから始めました。戦略は文字通り「戦いを略すこと。」すなわち捨てることが必要だからです。
古くから石の上にも三年という諺があります。
「我慢強く耐え忍べば、必ず成功する」という教えですが、「つらくてもすぐに辞めてはいけない」といった根性論のような意味合いではありません。
「石の上にも三年」の「三年」は文字通りではなく、「長い間」を意味しています。つまり、何かに絞り込み、一つに集中して継続していくことが重要であると捉えることができます。歳を重ねてきて、ようやくこの意味が腹落ちした感があります。
人は死ぬまで「一生勉強」と言われます。
何の為に、何に集中して何を永続的に勉強するかが肝心です。時間は無限ではなく有限であるからです。
他に「雨垂れ石を穿つ(あまだれいしをうがつ)」という諺もあります。
「雨垂れ」とは軒先などから滴り落ちる雨のことで「穿つ」とは穴をあけること。つまり、わずかな滴であっても、それがずっと同じ場所に落ち続けていれば、硬い石にも穴をあけることが出来る例えです。小さな努力でも続けていれば成功するという意味です。
多くの中小企業経営者は、崇高な経営理念を掲げ、志高く経営を行っています。しかしながら、願望を最重要として、直線的に戦術展開に至っている経営者を多く見受けます。最も重要な戦略が抜けてしまっている経営です。
戦術の勉強だけではこの競争社会に生き残ることは難しく、戦略を構築し根拠ある経営でなくてはいけません。
「負けない経営」を未来永劫となるよう、何の勉強が大事で続ける必要があるのか。三年前の初心を肝に銘じていきたいと思います。