戦略日記

競合と戦わない引き算経営 #102

競合と戦わない引き算経営 #102

「敵を丸裸にせよ。」は、古くから戦いの際の定石として伝えられています。

経営戦略を構築するには、”いの一番”に競合のことを徹底的に調べなければいけません。

そして市場と時流についても調査が必要となります。これら三要素の分析なしでは経営戦略として成立し難くなります。

何故なら、これらが欠如してしまうと自社都合になってしまうからです。

戦略は「戦わずして勝つ。」に尽きます。

戦場は常に緊張感に覆われているもので、これに耐えきれず無謀な戦いに出てしまえば敗北を招くだけとなります。ビジネスという戦場においても、無謀な行動に出れば競合他社に蹴落とされ、慎重で緻密な戦略を展開することが大切です。

ところが、競合他社のことは関係ないとばかりに、経営者の願望と都合だけで手を拡げていってしまう企業が後を絶ちません。

事業や商品などを拡大する「足し算」をすると競合が、その分増えていくということになります。

お客さんは、多くの企業や店の中から比較検討して購買をしています。

競合が多くなればなるほど、ライバルと必然的に争っていることになります。事実、相見積もりが多い企業などは、お客さんから競合と比較をされているのです。

市場占有率は、カテゴリごとにおいてお客さんを奪い合っている根拠となります。

しかしながら奪おうと思っても、自社都合で奪えるものではありません。当然ながらお客さんの厳しい目によって選ばれているからです。

本質的には、お客さんから支持されているバロメータなのです。

自社が意識しようとしないとも、お客さんから見れば、常に競合と戦っていることを肝に銘じたいものです。

戦いが続けば続くほど、経営の戦力(パワー)は疲弊していきます。

引き算経営によって、競合との「差」を埋めるのではなく「違い」を浮き彫りにさせていくことが戦略となります。戦略は知恵の勝負となります。