戦略日記
恩恵がコンセプトでなければ売れない #100
核心となる明確なコンセプトは引き算から生まれます。
このコンセプトがなければ、どんなに良い商品(サービス)でも売れません。売り手や作り手がついついやってしまう誤りは、自分たちが出来ることをしてしまうことです。
例えば、「テーブルを製作する技術が長けているので、お洒落なテーブルを作れば売れるだろう。」 「美味しいケーキを作れるから作ってみました。」 「うちのラーメンは美味いからラーメン屋を始めてみたら売れるはずだ。」等など。
このように、とりあえず作ってみたり、始めてみたりして「さてさて、これは誰が欲しがってくれるだろう。」「市場はどこにあるだろう」と後から探し出します。
顧客不在の考えとなり、さらに競合がいることを忘れてしまっています。
「何を誰に」ではなく「誰に何を」を真っ先に考える客層戦略が重要となります。
「誰に」が一つ変わるだけで、商品そのものは変わらないのに売上が大きく変わっていきます。客層ターゲットが引き算によって絞られると誰にメッセージを打つのかという広告表現(ホームページなど)の見せ方も変わります。
この引き算で絞るということを恐れる経営者がいます。最初は怖いのですが、実は絞った方がそれ以外の人も来やすいのです。
扉を大きく広げて「誰でもいいですよ。」とすれば、多くの顧客が来てくれそうと思い、絞り込むと集客が減ってしまうと思いがちになります。
「多くの皆さんに、うちはこれが得意で出来るのでやりたい。」となりますが、「皆さんとはいったい誰?」となってしまいます。皆さんと言われると聞いてる顧客は一人で聞いていますので「自分のことではない。」と思ってしまいます。
人に紹介する口コミにおいても「何でも出来る。何でもやります。何でも屋さんです。」と紹介されると、結局何をやってる人か理解されず、頼みずらくなってしまいます。
一所懸命頑張っていても良い商品でも売れない原因です。
皆さんではなく、一人にメッセージを発信していくことが大切になります。
お客さんはどの客層なのか、これに対してどこを強みとして打ち出していくのか。競合他社と比べて何が違って強みとなっているのか。
引き算から、これらをキッチリ明確にすることです。これらを先ずは答えられるようにしていかなければ、商品はいつまで経っても売れないままとなってしまいます。