戦略日記
引き算の時間戦略 #96
「いつまでもあると思うな親と金」という格言があります。
もう一つ大事なものがあります。それは時間です。
人は誰もが自己都合で考えてしまう悪い癖を持っていますので、これらのものは永遠にあり続けると勘違いをしてしまいます。
時間も無意識のうち無限にあるように思ってしまいがちですが限りがあります。
時間戦略は、経営の8大要因の中にもある重要な位置づけで、地域・客層・商品や営業、顧客維持活動の要因に対して、どのように時間配分をするかということです。
いつも「忙しい、忙しい。」と飛び回っている経営者がいます。
忙しいことは結構なことですが、果たして仕事に対しての時間配分は考えられているだろうかと疑問を抱くことがあります。
引き算によって、時間を上手に配分できる経営者であることが大切です。
戦略により「やらないことを決める。」 「捨てることを決める。」ことから始めます。具体的には「やらないことリスト」を作ることをお勧めします。
あれもこれもやるというように手数を増やしていくと、それぞれに対応をすることになり時間はいくらあっても足りない状況になります。
引き算によって「これはやらない。」と決めて、「これは我が社の仕事ではない。Noといえる勇気を持つ。」ことです。
戦略の設定次第で業績の善し悪しは、ほぼ決まってしまいます。
経営者は、この戦略構築が最たる仕事でありウェイトは86%にも及びます。8割は戦略構築に費やす、考える(知恵)時間が必要となるわけです。反対に、いつも忙しくバタバタと飛び回っている人は、戦術に大半の時間を費やしていると思います。忙しいと何だか仕事をしている錯覚をしてしまいます。
ただでさえ忙しい経営者が人付き合いやお役、世話役など多くのことを引き受ければ益々、時間は足りない状況に陥っていきます。
経営の勉強も同様で、様々なカテゴリの勉強に熱心になると散漫状態となり、当然の如く時間は足りなくなります。一点集中で深堀りし、極めていくことが大切です。
一つのことに集中投入した時間の量は必勝の法則となります。
戦略経営者は、カテゴリ1位を経営の目的としますので、「あること」に集中して時間を投入しなければ、競合に勝てるものはできません。「あること」とは戦略に導かれたものとなります。
人生は限りある時間であることを考えれば、必要ないと思われることに時間を費やす余裕がないことにも気づきます。