戦略日記

引き算で早く1位をつくる #95

引き算で早く1位をつくる #95

会社の目標があれこれあると力が分散してしまいます。

最初にこれなら絶対負けないものにヒト・モノ・カネの経営資源を集中させて、1位になりやすいものを早期につくることが正しいやり方になります。

1位ができたらそれを守りながら、これをつくった経験を活かして次の目標へと進み展開してきます。軍隊では「各個撃破主義」と呼び、早く1位を実現することが可能です。

しかし、時間経過と共に、人は誰しもついつい油断してしまいます。更に余裕が出来てくると欲も膨らみ、いくつもの目標を掲げ出してしまいます。こうなると同時並行的な事業展開になっていきます。

限りある経営資源でいくつもの目標に手を出していくと経営パワー(推進力)が分散してどれも中途半端でダメになってしまうか、会社自体が存続の危機に陥っていきます。(筆者自身を含めて、多くの経営者を見てきました)

戦略を研究していない経営者や欲深い人、これに決断力がない優柔不断な人がこうなりがちです。

何故なら戦略の本質がわからず、目に見える戦術ばかりを追いかけてしまうからです。こうなると手間暇ばかりかかって売上は上がっているのに一向に利益が出ていない状況になってしまいます。

貴重な時間は無限にあるわけではないので「忙しい、忙しい。」と時だけが過ぎていき、仕事をしている錯覚に陥ってしまいます。

これはとても重要で経営者であるなら最新の注意を払わなければいけません。社員の数だけ無駄な労力にコストをかけて疲弊してしまうことになります。Time is money.の所以です。

これは、地域・客層・商品戦略において広範囲で競合相手が多数になっている場合に多く見受けられます。戦略範囲を狭く限定する効果は、戦う相手を少数に絞るということです。

そして、1位になるには競合相手を上回る対策が必要となります。その前に、前提として先ずは競合相手を知ることが大切です。

特に競合相手の実力を知る手っ取り早い方法は、その会社の一人当たりの粗利益と地域における市場占有率です。戦う相手も定まらず確率的な戦いをしていれば、戦略面で有効な作戦や対策は生まれません。

市場占有率の低い弱者の経営資源は乏しいので何に目標を定め、いかに幅を狭くし深めるかが重要且つ有効となります。

ドリルで穴を開けるくらい絞り、戦略の引き算をして経営パワーを一点集中させていくことが1位づくりの近道となります。