戦略日記

PがないPDCA #91

PがないPDCA #91

経営現場において、よくPDCAのサイクルをまわすことが重要と唱えられています。

業界や業種を問わずにマネジメントする技法です。

Plan(計画) Do(実行) Check(評価) Action(改善)
この頭文字を取ったもので、Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)のサイクルを繰り返し行うことで、継続的な業務の改善を促すものです。

ところが、実際にはPがなくDCAだけのサイクルになっている中小企業が多く感じられます。

具体的な計画がなかったり、本当の意味でのPがなく、いきなり実行を繰り返している状態です。

Plan(計画)とは、「目標の設定」と「目標を達成するためのアクションプランの作成」を意味しています。

経営における目標とは、地域・客層・商品の3大戦略の設定と構築となります。これに営業、顧客、組織、資金、時間戦略も加える必要があります。

そして、この戦略を達成するためのアクションプランは、実現可能で再現性がある戦略シナリオであるかどうかです。

特に、目標設定において定量化、数値目標を明確にすることが求められます。

この数値目標は、単に前年の実績に10%アップといったような積上げ式の売上目標ではありません。

市場占有率を掴み、どのようにしてカテゴリ1位になるのか。これに基づき、一人当たりの粗利益を上げていけるかという戦略的数値を具体的に掲げることなのです。

PDCAが上手くいかない要因として、設定した目標が曖昧で明確になっておらず定量化(数値化)されていない場合に多く見受けられます。そして現状分析や現状把握ができていないケースです、

現状分析や現状把握とは、競合他社、市場(お客)の調査と分析をして自社の力で戦った場合、どうなるかという把握です。

Pがない状態だと、「がむしゃらに頑張ればいい。」 「とにかくやるだけやるしかない。」など止むなく、精神的要素が経営や営業現場のシーンで多くなっていきます。

「営業成績を向上させよう」という目標設定より、「新規顧客を10件獲得し、既存顧客300件にもアプローチをして、シェアを前年同月比○%アップさせよう。」といった定量的目標と具体的なアクションプランを設定し、誰が見ても明らかとなるものが必要となります。

Pを設定する際には、現状分析から出発し、定量的、数値化できる指標を活用する。目標の達成をジャッジするために必ず目標に期限を設定することが重要です。

ランチェスター法則でPの重要度は、53%でDは27%となります。Pは戦略でありDCAは戦術と置き換えられます。

正に、「夢なき者に理想なし。理想なき者に計画なし。計画なき者に実行なし。実行なき者に成功なし。(吉田松陰)」と言えます。