戦略日記
インパクトがあるお宿の引き算戦略 #87
マイルポイントが溜まって、有名な五つ星ホテルに泊まる機会がありました。
確かに雰囲気は良いのですが、一つ残念に思うことがありました。
宿泊した時のお楽しみである朝食についてです。私の中で期待していたほどでなく、メニュー数も少なく「ビジネスホテル?」と思ってしまうほどでした。
ここで頭の中で何を考えたかというと、これまで行ったお宿での体験を比較したのです。
数年前に泊まった金沢にある「彩の庭ホテル」を真っ先に思い出しました。
このホテルのコンセプトは「上質な金沢の空間と時間」を感じていただく「金沢の別邸」とホームページに掲載されています。
豪華さは感じませんが、とても落ち着きのある雰囲気で、スタッフのホスピタリティも抜群で丁寧且つ自然な応対はゲストの気持ちを良くさせてくれます。
こちらのホテルは夕食はなく、朝食のブッフェが特徴です。
「朝餉(あさげ)」と呼び、加賀野菜など地元の食材をふんだんに用いた山海の幸が和洋合わせて80種類にも及びます。
ホームページには、「朝餉にこめた三つのお約束」が記されています。
1. 季節に合わせた旬の食材を使い、新鮮なものはそのままで、手をかけるものは丹精こめて調理し、健康な一日の活力になる朝食をお出しします。
2. 「地産地消」を限りなく、追求しています。金沢の地が受け継いできた料理や独特の食材を積極的に採り入れます。
3. お客様のアレルギーなどに気を使い、できるかぎり手作りで思いやりのあるお料理を用意させていただきます。
クオリティも大変高く、大満足で堪能させていただいた思い出となりました。
これは推測ですが、「夕食は金沢の名物をお店などで楽しんでください。」という夕食サービスを引き算して、その分、朝食に全力を注いでいると感じます。
高級ホテル専用サイトのレビューでは4.7と高い評価を受けています。ほとんどが朝食について満足した内容が投稿されています。
評価は「良い」「素晴らしい」「最高」の段階があるのですが、最高ランクの評価が多いのも特筆すべきものです。
人は、何かを購入しようとする時や特徴を見出そうとする時、脳内で比較をしています。
私にとって、これまでの宿泊体験の中で「金沢 彩の庭ホテル」は、1位だと思っています。だからこそ第一想起になったのだと思います。
事業やサービスを引き算すると、とても印象深く、そして強くなるのです。