戦略日記
マスメデイア広告は強者の戦略 #36
テレビCM、ラジオCM、新聞などマスメデイア広告は、お客に直接訴えるので、「接近戦」のように見えますが、まったく反対の作用が働きます。
一つ目は、どこの誰が関心を示したかは全くつかめません。3大戦略における「どこの」「誰に」が欠如してしまいます。しかも発信者から見た一方通行で「接近戦」と思いきや強者の「遠隔戦」となります。
二つめは、インターネットのPPC広告のように対象の限定が出来ず、この地域だけのこの人にCMを流してほしいというわけにはいきません。いきなり広域戦になってしまいます。
三つめは、マスメデイア広告の対象は不特定多数の一般大衆であり、弱者は「局地戦」で、特定少数に対して訴求していかなければなりません。
四つめは、マスメデイア広告は「確率戦」となり、広告を出した競合他社とお互い確率的な競争をすることになります。シェアが低い、すなわち知名度の低い会社は印象に残らず、一過性に終わってしまいお金をかけた割には成果に繋がらないのです。強者の膨大な広告量に対して弱者の少量では二乗作用が働き「お客掘り起こし係」になってしまいます。
さらにマスメデイア広告は「量の法則」が働くので、配信数、スポット数を多くして継続していかなければ効果は出にくくなります。視聴率が高いゴールデンタイムに流すには費用がかさむので、費用対効果は難しい状況になります。
友人などから「テレビやラジオに出て凄いですね。」とか「CM観たよ」と言われると、嬉しくなるのが人の常です。自尊欲求を満たすには良いかもしれませんが、効果がなくても止めずらくなってしまいます。
あなたがCMを見て、店に行ったとか、どのような購買動機だったか、それはどんな商品だったかを考えてみれば、おのずと効果性がわかると思います。シェアに基づき、自社は弱者か強者かで「どこの」「誰に」「何を」の戦略をしっかり構築して5大戦法を考えていきたいものです。