戦略日記

ルールは経営者の土台 #216

ルールは経営者の土台 #216

スポーツの魅力は、ルールがあるからこそ生まれる興奮と感動にあります。野球の9回裏ツーアウト満塁、サッカーのロスタイムでの決勝ゴール、バスケットボールのブザービーター。これらのドラマは、ルールという制約があるからこそ生まれるものです。

ルールは、スポーツにおいて公平性を担保し、選手たちが最大限の能力を発揮するための土台となります。そして、その中で選手たちは技術を磨く鍛練を重ね、勝利を目指して競い合います。

他にも俳句や短歌の世界では、五七五、あるいは五七五七七という限られた音節の中で、作者は言葉を選び抜き、研ぎ澄まし、世界観を表現します。ルールがあるからこそ、言葉の力が最大限に引き出され、奥深い表現が生まれると思います。これは、絵画や音楽、スポーツなど、あらゆる創作活動にも共通する真理ではないでしょうか。

これらは、経営にも通じるところがあります。企業間の競争は、まさにルールに則った戦いと言えます。法律や社会規範、経営理念、社内規則などのルールが存在することで、企業は健全な競争を繰り広げ、イノベーションを生み出し、顧客に価値を提供することができます。

経営戦略においても、ルールは重要な役割を果たします。例えば、競合他社の分析、市場調査、財務分析など、戦略立案のプロセスには一定のルールやフレームワークが存在します。これらのルールを理解し活用することで、より効果的な戦略を策定することができます。

ルールは単なる制約ではありません。ルールを深く理解し、その中で創造性を発揮することで、新たな戦略やビジネスモデルを生み出すことも可能です。

スポーツにおいて、ルールを熟知した上で、それを逆手に取った意外な作戦が勝利に繋がるように、経営においても、既存のルールを打破するような革新的なアイデアが、大きな成功をもたらすことがあります。

スポーツもビジネスも、ルールがあるからこそ面白い。ルールを理解し、尊重し、そして創造性を発揮することで、私たちはより大きな感動と成功を手に入れることができるのではないでしょうか。

ルールを守ることによって得られる最大のメリットは、信頼(信用)です。年頭にあたり、この当たり前であることを経営者は戒めていきたいものです。