戦略日記
企業理念と経営理念の2つが必要 #194
経営理念とは、企業が何のために活動するのか、また、企業が目指すべき方向性を明確にするための存在意義をまとめた言葉です。経営者の哲学や信念に基づき、企業の根本となる活動方針や理想像を明文化したもので、企業内の全従業員が共有して、「意思の決定」や「行動の基準」となる基本的方針です。
創業者の思いや企業としての考え方、大切にすべき価値観などが含まれています。たとえば、「○○事業を通して社会に貢献したい」「従業員が笑顔で働ける環境を整備したい」などの思いを、経営姿勢や行動規範として言語化したものが経営理念となります。
経営理念を共有することで、従業員は経営者の想いを理解できるため、業務で迷った際の行動の指針になります。また、経営者が判断に迷った際には、「経営理念に合っているか」という判断ができるため、一貫性のある経営ができます。
ランチェスター戦略においても、経営者の志や理念、ビジョンは最も重要であると定義しています。「あなたの会社の経営理念は、どのような言葉が掲げられているでしょうか?」今一度、熟慮しなければいけないことは、誰に向けた言葉(メッセージ)であるかです。
経営理念は、内向きと外向きの2つの側面を持ちます。内向きが経営理念として定義し、従業員が日々の業務で行動の規範や指針とするためのものです。一方、外向きは、企業理念として定義し、ブランディングとも深い関係性があり、顧客や社会に対して企業の価値観を伝え、支持を受けるものとなります。企業のあり方や存在意義、事業目的などを示し企業の根幹を表します。
一般的に、内向きの経営理念よりも外向きの企業理念が上位に位置します。経営理念は、企業理念を実現するために内向きとして明文化することです。
「経営はお客づくり」であるように、外部の市場活動が最も重要です。そのため、経営理念を単に形にするだけではなく、戦略に基づき、誰に向けて発信するのかを明確にしなければいけません。
ランチェスター戦略を伝える者として、外向きの企業理念と内向きの経営理念との両方を成文化することをお勧めします。