戦略日記

裸の王様にならないように #151

裸の王様にならないように #151

経営者は、企業のトップとして、さまざまな意思決定を行う必要があります。しかし、経営者は、どうしても自分の考えや思い込みに囚われてしまいがちです。諌言者を置くことで、経営者の判断を客観的に検証することができ、誤った判断を防ぐことができます。

当然ですが社員を率いて企業を成長させていく必要があります。ところが経営者は、どうしても自分の意見を押し付けてしまいがちです。知らずうちに傲慢となり、特に社員に対しては、時間の経過と共にこのような傾向になりがちです。

特に中小企業において、社員からの諌言は大変貴重だと思います。何故なら社員は、実は本当の本当を言ってくれない場合が多いからです。

「社長、お話があります。」とあらたまった言い方をされた時、たいていは「会社をやめさせていただきます。」と退職の話がほとんどだと思います。それまでたまっていた事を言えず、どうしようもなくなってしまった時の最後の意思表示なのです。社員は、普段から聞く耳を持たない経営者と知ってしまい、言っても無駄。言ったらクビになるとわかっているからです。

普段から社員の意見を積極的に聞くことが重要であり、社員が諌言をしやすい環境を整えることが必要です。社員の意見を聞く機会を設けたり、社員の意見をフィードバックする制度を導入したりすることで、社員の意見を聞きやすくすることです。そして、丁寧に聞くことで、社員の意見を尊重していることを示すことができます。社員の意見を否定したり、遮ったりせず、最後までしっかりと聞くことで社員の信頼を獲得することができます。

更には、お客と社員の声無き声を拾える経営者にならなくてはいけません。イエスマンばかりを揃えるのではなく、耳障りのよくない意見や助言を諌言してくれる人こそ大切にしなくてはなりません。

何故なら、「人は言われなくなったらお終い。」という格言があるように、言ってもらえるうちが花であり、普通は何も言わずに去っていきます。お客も社員も然りです。

商いは、お客と社員や取引先に支えられてこそ成立するものであると常に心に刻み、経営者は、諌言者を傍に置いて真摯な姿勢で取り組みたいものです。そして戦略を社員、アルバイト、パートなど全従業員の隅々まで理解できるようにしていきましょう。