戦略日記
理を知らずして情に流される #141
情と理は、人間の行動を左右する2つの重要な要素です。情とは、感情や欲望を表す言葉であり、理とは、理論や知識を表す言葉です。
情は、人間の行動を動機付ける原動力です。私たちは、愛情や友情、怒り、悲しみなどの感情に駆り立てられて、行動を起こします。情は、私たちの人生を豊かにしてくれる反面、時には私たちを誤った方向に導くこともあります。
理は、情の行き過ぎを抑制する役割を果たします。私たちは、理論や知識に基づいて、自分の行動を客観的に判断することができます。反面、時には私たちの情熱を冷めさせてしまうこともあります。
経営において、「理を知らずして情に流される。」で考えてみると、道理を理解せずに感情に流されることになります。経営者が物事を判断する際には、理性と感情のバランスをとることが大切であることを示しています。
戦略を知らないと、情に流されやすくなります。なぜなら、戦略がない状態では経営自体に根拠が無く、物事を冷静に判断することが難しく、感情に左右されやすいからです。このような経営は、市場の変化や競合他社の動きに対応することが難しく、結果として失敗してしまう可能性が高くなります。
成功するには再現性の高い仕組みが必要不可欠となります。つまり、これをやったら、次にこうなって成果に繋がるという根拠となるものです。すなわち誰がやっても一定の成果が得られる経営の仕組みです。
本来、経営戦略の目標やゴールの達成は、思いや努力とか根性、気合いなどで乗り越えて頑張って行こうというものではなく、このような状態を起こさせないようにする予見を立てて、あらゆる状況を織り込み済みで構築するものなのです。情を優先せずとも理で成り立たせていくことです。
そして戦略構築をした後は、実現のために戦術としての施策をあれやこれやと組み合わせて次々に展開していくのです。こうなると肩の力を抜いた力みのない経営を推進していくことが出来ます。
この戦略を力強く推し進めていく時に、競合他社に負けない経営者の情が必要となります。