戦略日記
戦略によって人は育つ #127
「うちの社員は、どうもやる気がある人が少ない。」
「何度言っても響かない。」などなど。社長の話を聞いていると人の問題で、このような言葉をよく耳にします。
「中小企業だから優秀な社員を採用できない…」とついつい愚痴になってしまうようです。果たして本当にそうでしょうか?
「もっとやる気を出せ!」「何でもいいから売上をあげてこい!」などとハッパをかけられても社員は納得はせず、かえって反発するだけになり組織は機能しません。
他に、自分の果たす役割がわからなくなってしまった社員が「どうしたら良いでしょうか?」と相談されて、社長は「自分で考えて判断しなさい。」などど懐の深い社長を装っている人もいます。
「上、三年にして下を知り、下、三日にして上を知る」という格言があるように、社員は社長が本物かどうかを瞬時に見抜きます。懐の深いフリをしても通用しないのです。
社長自身に明確な経営戦略が必要となるのです。戦略をもとに組織が機能します。社員に求める役割と期待する成果をハッキリと明示することに尽きます。
戦略を明らかにすることは社長として重要な役割です。会社の規模が大きくなって部長や課長など管理職ができたとしても役割を委任することになりますが、あくまでも委任です。ここを勘違いしないように気をつけることが大事です。
先ずは「どこの」「誰に」「何を」「どのように」売るのかを決定する。こうすれば取引先の営業方針も明確になるので、社員にしっかり伝えて管理すれば良いのです。管理とは異常を発見し改善することです。そもそも前年対比何パーセントアップなど、実効性、具体性のない経営計画だと社員は何をすれば良いのか理解できず非常に難しく厳しいのです。
大半の社長は、強力なリーダーシップで会社を引っ張り、成長させていきたいと考えています。社長が会社を引っ張るという発想から仕組みを使って会社を引っ張るという発想に切り替えなければいけません。
仕組みとは、「誰が、いつ何度やっても、同じ成果が出せる経営システムです。」優秀な社員に頼る属人性を低くし、誰もが成果を出せるように再現性を高くすることなのです。
戦略に基づく仕組みによって、社員が成果達成の連続性によってモチベーションも上がり、スキル向上となり人は育つのです。