戦略日記

戦略経営者のプレゼンはわかりやすい #97

戦略経営者のプレゼンはわかりやすい #97

経営者であると自社のことを多かれ少なかれ、人に伝える機会があると思います。

戦略経営者のプレゼンは明快でとてもわかりやすいです。

それは、経営とは何か。経営の目的と目標は何であるかが定まっているからです。特に戦略が明確になっているので経営自体がストーリーとなっています。

戦略は文字通り、「戦いを略す」と書きますので「何を捨てるか。何をやらないか」を決めて、削ぎ落とす引き算をして強い起点をつくることになります。

特に競合とバッティングしないよう自社のポジショニングをハッキリさせて、市場占有率を高め競争優位性を得ることが重要です。

一方、戦術経営者は目に映る戦術のことばかりを追いかけますので部分部分の施策ばかりとなります。

よってプレゼン内容が一つ一つ戦術の説明が多くなり、散漫となってしまうので聞き手は「何を言っているかわからない。」という残念な結果になってしまいます。

これは社員にとっても同じことで「社長の言っていることがわからない。」となり、強いては会社が進む方向性を理解してもらえないという事に繋がってしまいます。

決して話し方の上手い下手ということではありません。

プレゼンの際、Powerpoint などスライドや資料を作成し発表することがあるかと思います。

この場合においても戦術経営者は、一枚のスライドの中に「あれもこれもてんこ盛り状態」で情報を詰め込んでしまいます。聴衆側は、何が何だか理解できなくなります。

戦略経営者のスライドや資料はシンプルです。一枚はワンテーマだけに絞り、文字は少なくして大きな文字のワンフレーズとイメージできる挿し絵程度です。

戦略経営者は、引き算して削ぎ落とす思考と習慣があるからです。戦術経営者は自信がなく、あれこれを足していってしまいます。たくさん何かをやっていないと不安になるからです。

企業がどんなに素晴らしい商品やサービスを有していても、お客さんが知らなければマーケティングは上手くいきません。

社員が会社の戦略を理解していなければ市場の対象顧客に上手く伝えることが出来なくなってしまいます。「伝える」ことだけではなく「伝わる」ことが不可欠となります。

目的、目標から始まり、戦略があって仕組みを作り、作戦を考えて戦術、戦闘までを経営のシナリオとして構築すれば、周りがわかりやすく理解してもらえるのです。

お世辞抜きで「とてもわかりやすく素晴らしい発表でした。」と思える経営者は戦略的であると言えます。