戦略日記
戦術は戦略から導かれる #86
先日、たまたまテレビのスイッチを入れたら「Tiktokが凄い。」という番組が放送されていました。
Tiktokはショートムービー型のSNSで国内ユーザ数は約1,700万人(2021年10月時点)とのことです。
若年層のユーザが多いのですが、最近は30代から40代のユーザが増えてきているようです。
番組の主旨として「Tiktok売れ」という現象を伝えていました。
Tiktokの数十秒の動画で菓子や化粧品、日用品などの商品が売れて品薄になっているとのこと。
様々な企業がTiktokに投稿した動画が支持を受け、フォロワー数が何十万人、何百万人という内容を紹介していました。
こういうものを見てしまうと、大半の企業が「そうか。Youtube、Instagramの次はTiktokなんだ。うちの会社もTiktokを活用していこう。」となってしまうのではないでしょうか。
確かにSNSを活用したマーケティングは、今の時代やこれから先において避けて通れないものと思います。
しかし、ここで注意したいことは「安易に追随してはいけない。」ということです。
何故なら、YoutubeやInstagram、TiktokなどSNSは戦術であるからです。
戦術は、「どこの」「誰に」「何を」という三大戦略の中の細分化や重点化の設定に基づいて実行していくものです。その会社の戦略によっては、TiktokではなくFacebookの方が良いという場合もあるでしょう。
例えば、アッパーな客層を戦略の対象としているのに、パロディのようなムービーだと的外れになってしまいブランド価値を落としてしまうことになります。
戦術は、戦略から導かれるという所以です。
これらSNSマーケティング訴求の中心となる商品についても同様です。
商品(サービス)そのものは戦術です。どれだけ競争力のある商品やサービスの技術、性能などを高めてもお客に知らしめる販売活動がなければ売れません。
「経営はお客づくりである。」に尽きます。
商品は、お客や競合から唯一、目に見えるものであり対価をいただく会社の顔です。
会社が何故、このような商品・サービスを選んだのか。開発に至ったのかというプロセスが戦略ということになります。
業績の良い会社は商品自体が戦略的な意味合いを持っています。
SNSなど戦術が悪いということではなく、戦術先行で「取っ替え引っ替え、切ったり貼ったり」の小手先ばかりに依存するのではなく、戦略の設定があってこそ戦術が形になり効果が出るのです。
戦略経営者は「何を(商品)誰に(客層)」ではなく「誰に(客層)何を(商品)」を考えていかなければなりません。